「出来ない事が増えてきて介護が大変になったな。そろそろ限界なのかな、、?」
「施設ってお金が無いと入れないでしょ?」
在宅で介護をしていると、ふとこんな不安がよぎることはありませんか。
私は、両親の介護を経験し、さらに在宅での介護と施設のケアマネとして多くのご家族と接してきました。「まだ家で見られるし、、」「施設なんて可哀想」と考え始めた時に動き始めましょう。
〜動き始めてもすぐには進みません〜
入所した事で家族関係がとても良くなることも多いです。
ご家族も生活があります。そして何よりご両親は自分の子供たちの幸せを祈っているはずです。
ご本人もご家族も、心身ともに健やかな日々を過ごせますように。約20年、介護に携わってきた私の経験から施設入所のハードルが少しでも低くなるように思いを込めて記事を書きました。

施設入所はまだ早いんじゃないかしら、、

「まだ早い」と感じる今がベストなタイミング。
困ってから慌てる方が多いです。
今から準備しておく事が大切です
結論|まず知ってほしい4つのこと
🌿「まだ早いかな?」と感じた時に動き始める
🌿お金がなくても入れる方法がある(生活保護でも入所可能)
🌿ご本人・ご家族のベストなタイミングがある
🌿入所して終わりではない
🌿急いでいる方へ|明日やることは3つだけ
① 市役所で老健の申込書をもらう(ダウンロードもできます)
② 担当のケアマネに「施設を考えている」と相談する(担当のケアマネ不在の方は地域包括支援センターへ相談)
③ 通いやすい場所で、気になる施設を3つ探す
詳しい理由と手順は、このあと順番にお伝えします。
🌿なぜ「今」申し込むべきなのか?
施設は、申し込んですぐに入れるわけではありません。
むしろ
👉 数ヶ月〜1年以上待つことも珍しくありません。
そして大事なこと。
👉 申し込んでも断ることはできます
つまり
「まだ早いかな」と思っている“今”がベストなタイミングです。
申し込まなければ、何も始まりません。
🌿お金がなくても入れるの?
結論から言うと、入れます。
「負担限度額認定証」という制度があります。
👉 食費や居住費が軽減される仕組みです
例えば
👉 年金が月5〜6万円程度でも入所できるケースがあります
さらに
👉 生活保護の方も実際に入所しています
「お金がないから無理」と思い込んでしまうのが、一番もったいないです。
申請に必要な、2つの条件
この制度を使うには、条件が2つあります。
① 所得の条件
本人を含む世帯全員が住民税非課税であること。配偶者が世帯分離している場合も含めて見られます。
② 預貯金の条件
本人と配偶者の預貯金や有価証券などの合計が、段階ごとに決められた基準額以下であること。
申請に必要なもの
- 介護保険負担限度額認定申請書
- 同意書(金融機関へ資産を照会することへの同意)
- 本人と配偶者の預貯金通帳などのコピー(直近の残高や取引履歴がわかるもの)
- 介護保険被保険者証、本人確認書類
これを持って、市役所の高齢者支援窓口へ行きます。
でも実は、「知らないまま損をする」ことはほとんどありません
ここまで読んで「手続きが難しそう」と思われたかもしれません。でも、安心してください。
私が勤めていた施設では、入所の申し込みから相談、入所に至るまで、ケアマネが表に出ることはありませんでした。窓口はすべて相談員です。
その相談員は、入所される方の年金額や預貯金を、あらかじめ必ず確認します。そのうえで、月にいくらかかるのか、負担限度額認定証の申請はできるのか、できるならどう手続きするのかを説明します。
ですから「知らないまま損をした」というケースは、まずないと思います。
実際、無年金の方や、年金が月5〜6万円しかない方も珍しくありませんでした。それでも、皆さん入所されています。

入所の前に介護保険のサービスを使っていれば、良いタイミングでケアマネが申請を勧めてくれます。(ちゃんとしたケアマネなら!)
それでも支払いに不安があるときは、入所の話が出る前に地域包括支援センターか市役所の高齢者支援課に相談してください。その方の状況に合った一番良い方法を、一緒に考えてくれます。
一人で悩まないこと。これが何より大切です。
🌿実際、月にいくらかかるのか
ここから先の金額は、私が勤めていた老健の例です。施設の種類や地域、加算によって変わりますので、目安として見てください。
2026年9月時点の情報です(2026年8月の改定後の金額)。介護保険の料金は制度の改定で変わるので、最新の金額は施設や市役所で確認してください。
要介護1・負担割合1割・多床室(相部屋)の場合で見てみます。基本サービス費は1日847円。これはどの段階でも同じです。ここに食費と居住費が加わります。
| 段階 | 食費(1日) | 居住費(1日) | 1か月の目安 |
|---|---|---|---|
| 第1段階 (生活保護など) | 300円 | 0円 | 食費のみ 約9,000円※ |
| 第2段階 | 390円 | 430円 | 50,010円 |
| 第3段階① | 680円 | 430円 | 58,710円 |
| 第3段階② | 1,420円 | 530円 | 83,910円 |
| 課税世帯 (軽減なし) | 2,000円 | 590円 | 103,110円 |
※ 生活保護を受けている方は、施設利用費が0円になります。食費も、生活保護の介護扶助や軽減制度によって0円になる場合があります。

2026年8月の改定で、第3段階①の食費が650円→680円、第3段階②が1,360円→1,420円に上がりました。多床室の居住費は、第3段階①は据え置き、②が値上げになっています。
表に出てこない、別にかかるお金
- 洗濯代…月5,000円ほど(ご家族が持ち帰って洗えば0円です)
- リネン代…月5,000円ほど(タオルなどのレンタル。これは必ずかかります)
- 理美容代…実費(カット、ひげ剃り、カラー、パーマなど)
- 日用品…ご家族に用意していただきます
このほかに、リハビリや医療の加算がつきます。短期集中リハビリ加算など、入所してすぐの時期はリハビリが手厚くなるぶん、少し高くなります。
逆に、安心していいこと
- 薬代・施設主治医の診療費…老健では施設サービス費に含まれます(ただし外部を受診する場合の費用や、介護タクシー代はご家族の負担です)
- おむつ代…老健では施設サービス費に含まれています
おむつ代が含まれるのは、老健の大きな利点です。在宅で介護をされてきた方ほど、この負担の大きさをご存じだと思います。
🌿施設入所になる人のパターン(現場の実感)
施設ケアマネとして約8年働く中で、入所される方は大きく2つに分かれます。
① 入院をきっかけに在宅生活が難しくなる
② 認知症の進行や介護者の限界で生活が厳しくなる
つまり——
👉 限界が来てから動く人が多い
▶ 限界が来る前に気づくためのサインは、こちらにまとめています。在宅介護の限界サインは「大丈夫」でした
でも本当は、その前に動く方が
ご本人にとっても、ご家族にとっても、自然で楽な気持ちでいられます。

① 入院がきっかけ ── 一番多いパターンです
老健は、地域の病院とも関係ができています。治療が終わって退院が近づくと、病院のMSW(相談員)がご家族に「退院後の生活はどう考えていますか」と尋ねられることがあります。
そこで「このまま在宅では難しい」となることが多く、MSWから老健に入所の打診が来ます。お互いに連絡を取り合い、必要があれば老健から病院へ面会に行って状態を確認し、入所となります。
(声掛けがなかったらこちらから相談していきましょう)
「何としてでも家に帰る」と決めていたAさん

大腿骨を骨折して手術を受け、リハビリ病院で集中的にリハビリをしたあと、私の施設に入所されたAさん。
認知症はなく、リハビリ目的の入所であることも十分に理解されていました。
正直なところ、体重も重く、ベッドから車椅子へ移るのもまだ見守りが必要な状態でした。もともとお一人暮らしでしたから、在宅に戻れるかどうかはギリギリです。
でもAさんには、はっきりした目的がありました。
リハビリを本当に頑張って一生懸命取り組みました。そしてトイレの動作が一人でできるようになり、車椅子から歩行器で移動できるようになり——ついにご自宅へ帰られました。
「何としてでも、家に帰る!」という強い信念がありました。見事でした。
② 認知症の進行と、介護するご家族の限界

ご夫婦お二人で暮らしていらっしゃいました。
ご主人は85歳。お身体はお元気でしたが、認知症が進んで奥様に暴言を吐いたり、排泄がうまくできずに服やトイレを何度も汚すようになっていました。
奥様は80代の小柄で可愛らしい方でした。物忘れは年相応で、ひとつひとつお願いすればきちんとこなされる、誠実な方です。ご主人を大切に思う気持ちがある一方で、毎日の介護にかなり疲れきっていました。
周りから入所を勧められても、「お父さんが可哀想」という気持ちが大きく、なかなか決断できなかったそうです。
背中を押したのは、ご長男でした。
お袋が倒れちゃうよ。親父は落ち着いたらまた帰ってこれるかも知れないよ。だから今は施設にお願いしよう
一緒に暮らしていたわけではないご長男の言葉です。奥様は、本当に限界だったのだと思います。
入所の日はご長男が付き添われ、ご主人は穏やかに、わりとすんなり入所されました。(といっても、よく分からないまま——が正しいかもしれません)
何より困ったのは、お風呂でした
入所してからも、いろいろありました。
普段はとても紳士的な方です。でも男性の利用者さんと少しぶつかっただけで「何だよ!やるのか!」とけんかを売り、大きな声を出されます。
そして何より困ったのが、お風呂に入っていただけないことでした。
穏やかに世間話をすると、現役時代のことをたくさん話してくださいます。若い頃は自衛隊にいらしたこと。その流れでお風呂にお誘いすると、こう返ってくるのです。
自衛隊で何日もお風呂に入れなかったから、平気なんだよ
得意げに、そう仰います。無理に浴室へお連れするわけにはいきません。
奥様は毎週、洗濯物を届けるたびに「主人はお風呂に入ってますか?」「迷惑かけて申し訳ありません」と頭を下げられます。
時間をかけて、焦らず一歩ずつ。
今日は着替えられた。今日はシャワーができた。今日は全くダメだった。行ったり来たりを繰り返しながら、職員みんなで声をかけ、関係をつくっていきました。
長い時間がかかりました。
そして最終的には——なんと、ご本人のほうからこう仰るようになったのです。
今日はお風呂ですか? お風呂は何時からですか?
一番喜んだのは、奥様でした。
家でもお風呂に入ってくれなかったんですよ。良かったです(涙)ありがとうございます
その後も奥様は定期的に面会に来られました。ご主人は奥様の顔を見ると、とても嬉しそうなお顔になります。お二人で面会スペースのソファーに、仲良く肩を寄せ合って座っていらっしゃいました。
家には戻れません。でもご夫婦の関係は、とても微笑ましくて可愛らしくて、幸せなオーラに包まれていました。

🌿どこに申し込めばいいの?
■ 老人保健施設(老健)←まずはここです!
👉 最初の一歩として一番おすすめ
・要介護1以上で申し込み可能
・全国どこでも申し込める
・ずっと住む場所ではなく“次に繋ぐ施設”
■ グループホーム(金銭的に余裕があれば)
👉 認知症があり、身体が元気な方向け
・地域限定(住んでいる自治体ごとに入所できる施設が決まっている)
・費用は月15〜20万円程度
■ 特別養護老人ホーム(すぐには入れない。主に老健の次の施設)
👉 要介護3以上の方
・地域限定(住んでいる自治体。地域外の入所可能な施設もある)
・費用は収入に応じて
・申込後入所までに時間がかかる
要介護3に届かないときは、区分変更という方法もあります。

老健は長く入所出来ないと聞いています。
特養の方が良いのではないですか?

特養は入所できるまで時間がかかります。
早めに入所できる老健に申し込んでおくとご本人もご家族も落ち着いた状態とベストなタイミングで入所できる事が多いですよ。
★上記の施設の中で一番入所しやすいのが老人保健施設(老健)です。
今回は老健の入所に絞って解説します。
🌿老健は、ずっといられる施設ではありません
ここは、入所の前に必ず知っておいてください。
- 終の棲家ではないこと
- リハビリをして自宅へ戻ることが目的であること
- 基本的な入所期間は3か月であること
- 3か月ごとに見直していくこと
私の施設では、入所の前に相談員が必ずこの説明をしていました。それでも——
「3か月経ったら、出なければいけないのでしょうか?」
入所後、最初のケアプランを作ってご説明するとき、この不安の声が毎回必ずありました。
私はこうお答えしていました。

確かに3か月ごとにプランの見直しはあります。でも、落ち着いて生活していれば、すぐに退所ということにはなりませんよ
そのうえで、長く生活していただくためにご家族にお願いしたいことや、こうすると良いという具体的なことをお伝えします。場合によっては、すぐに特養へ申し込むことをお勧めしていました。
ここまでお話しすると、ご家族は皆さんホッとされていましたよ。
ご自宅へ戻れた方は、ほんの一握りです
老健はリハビリをして自宅へ戻るための施設です。それは本当です。
でも現実には、ご自宅へ戻れた方はほんの一握りでした。
同居のご家族がいても、お一人暮らしでも同じです。リハビリでお元気になられたからといって、100パーセント元に戻ったわけではないからです。
- どこかに動きにくさが残る。痛みや痺れが残る
- そのぶん、転倒しやすくなる
- 今までのように咽せずに食べられない。柔らかい食事が必要になる。飲み込みが悪くなる
- 心肺機能が落ちて体調を崩しやすい。免疫も落ちて感染症にかかりやすい
- 認知機能が落ちて、正しい判断が難しくなる
そして——ご家族の状況も、お気持ちも変わっていきます。
経過によっては看取りまで行うこともありますが、これも稀なケースです。
入所して安心、これで終わりではありません。次の施設をどうするのか、ご家族やご兄弟で話し合って、いざという時に慌てない準備をしておく。それが、ご両親の生活も、ご自分たちの生活も守ることにつながります。
🌿老健の申し込み方法(ここが大事)
① 市役所で申込書をもらう or ダウンロード
② 施設名以外を先に記入
③ コピーを複数用意
④ コピーに施設名を書いて複数施設へ送付または持参
⑤送付1〜2週間後に施設へ電話(面談希望を伝える)
👉 ポイント
気になる施設は3ヶ所以上選ぶこと
🌿面談で見られているのは「家族」です
ここ、かなり大事です。
施設は
👉 利用者だけでなく家族も見ています
チェックされるのは👇
・キーパーソン(主な連絡役)の対応力
・緊急時に動けるか
・家族関係がスムーズか
でも安心してください。
👉 完璧である必要はありません
👉 誠実に対応することが一番大切です

🌿面談前に準備しておくこと
・生活状況(食事・排泄・睡眠など)
・服薬内容
・年金や貯蓄の目安
・これまでの経過
一人暮らしの場合は
👉 一度泊まって様子を見るのもおすすめです
「ちゃんと関わっている家族」と伝わります。

🌿緊急時の対応はご家族で話し合って置きましょう。(特に状態が悪くなった時にどうするかが大事です)
🌿合わせて読みたい👇️

🌿面談後にやるべきこと
・施設見学をする
・職員の雰囲気を見る
・ご入所者様の様子を観察する
👉 2週間連絡がなければこちらから電話
「入りたい」という気持ちは伝えて大丈夫です。
🌿最後に|迷っているご家族へ
施設入所は「終わり」ではありません。
むしろ新しい生活のスタートです。
そして——
👉 入ってから合わなければ、施設を移ることもできます
だからこそ
👉 限界が来る前に動くこと
認知症が進んでからではなく
落ち着いているうちに環境に慣れる方が、ご本人も楽です。そして施設も受け入れやすいです。
📖 それでも「施設に入れるのは親不孝では」と迷う方へ

🌿明日やること(ここから一歩)
① 市役所で申込書をもらう(ダウンロード可)
② ケアマネに相談する(担当のケアマネ不在の方は地域包括支援センターへ相談)
③ 気になる施設を3つ探す(ご家族が通いやすい場所がベスト)
迷っている時間が一番つらいものです。
大丈夫です。
一歩動けば、必ず道は開けます。
まずは「申し込み」から始めてみてください。
思っていたより早く入所ができる事も良くあります☘️
それでも「まだ早い」と感じるのなら、どんな老健があるのか調べておくだけでも安心です。
手続きが難しいと感じたら、『いい介護』のような相談サービスに頼る方法もあります。
正直に言うと、私自身はこのサービスを使ったことがありません。
ご家族に時間があって、インターネットで調べられて、施設に詳しい方が身近にいらっしゃるなら、必要ないかもしれません。
でも、高齢のご夫婦だけだったり、介護保険のことも施設の種類も全く分からなかったり、日常的に身軽に動ける環境ではなかったり——そんなときは、少し頼ってみてください。
契約しなくても、相談だけで大丈夫です。「こういう時はどうするのかな」「費用はどのくらいなのかな」といった疑問に、そのご家族の場合はこうです、と個別に提案してくれます。
話を聞くだけでも選択肢が広がって、これからの動きが見えてきますよ。
※見てみるだけでもOK。無料で資料請求できます
📚 ミリ子のおすすめ本
認知症は決断が10割
介護は、決断次第で天国にも地獄にも!
著:長谷川嘉哉 ★4.5(132件) ¥1,650
ケアマネ歴12年の著者が「決断の重要性」をわかりやすく解説。施設を選ぶ前に読んでおくと、ご家族の気持ちがぐっと楽になります。
私はAudibleで聴きました。家事をしながら耳で読めるので、介護で本を読む時間がない方にもおすすめです。
🌿入所がゴールではありません。ここからが始まりと思ってご家族との時間を紡いでいってほしいと思います。入所後もご家族のやることはたくさんありますよ🌿
🌸ここまで読んでくださってありがとうございます。
感じたことやご経験があれば、一番下のコメント欄から一言いただけたら嬉しいです🌸
入所が決まったら
👉「施設が困る家族」について、現場のリアルを書きました🌿

※本記事の一部はAIを活用して作成しています。


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