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老人ホームの探し方と相談窓口|ケアマネ15年が施設別に答えます

テーブルに施設のパンフレットを広げて考えている60代の女性のイラスト 介護
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「施設の相談って、どこにすればいいんですか?」

ケアマネジャーをしていた15年間、何度も聞かれた質問です。

そして正直に申し上げると、一律の答えはありません。

なぜなら、どこに相談すべきかは——どこに入りたいかで変わるからです。

今日は、目指す施設ごとに整理してみます。

🌿先に、申し上げておきます

この記事には、民間の施設検索サービスへのリンクがあります。そこから資料請求があると、私にも紹介料が入ります。

記事の後半で、「紹介会社は施設から手数料をもらっている仕組みです」という話をします。それを書く私自身が、同じように紹介料を受け取る立場にいる。

隠して書くのは気持ちが悪いので、先に申し上げておきます。だからこそ、仕組みを全部書きます。読んだうえで、使うかどうか決めてください。

🌿まず、とても多い誤解を2つ

① 施設に入ったら、ずっとそこにいられる

ご相談を受けていて、いちばん多かった思い込みがこれです。

実際には、施設を移る方はたくさんいます。サービス付き高齢者向け住宅で転倒して入院し、そのあと老健に入り、退所して別のサ高住へ移られた方もいました。グループホームから特養へ移る方もいます。

一度で決めなければ、と思い詰めなくて大丈夫です。

② 老健は3か月で追い出される/特養は何年も待つ

どちらも、よく聞く話です。でも実際は、そこまで単純ではありません。

特養については後ほど詳しく書きますが、「申し込んでも何年も待たないと入れない」とは限りません。

▶ 老健の3か月の話は、こちらに詳しく書きました。老人施設の入り方|ケアマネ歴15年が教える申し込みから入所まで

🌿私がまず聞くのは「どんな施設を考えていますか?」

相談を受けたとき、私が最初に尋ねるのはこれでした。すると、いろいろなお答えが返ってきます。

  • 特養とか老健とは聞くけれど、どう違うのか分からない
  • 在宅はもう限界。でもお金がたくさんあるわけではない
  • 金銭的には特養が希望。でも認知症もないので、まだ可哀想で
  • 有料老人ホームで、設備も対応も良いところに入りたい
  • 近くのサ高住が、要介護5の母でも受け入れてくれるらしい
ミリ子
ミリ子

ちなみに4つめの「設備も対応も良い有料老人ホーム」とおっしゃる方は、実際にはほとんどいらっしゃいませんでした(笑)

こんなにバラバラなのです。だから「施設入所を考えるなら、まずは◯◯へ」と一律に決めることはできません。それがこの話の本質です。

ここから、ケース別に見ていきます。

どこを目指すか、の早わかり

認知症は進んでいる。でも身体は元気
→
グループホーム
グループホームが理想。でも費用が難しい
→
まず老健
要介護4〜5。介護がほとんど必要
→
特養
(複数に申し込む)
趣味や設備も楽しみたい
→
有料老人ホーム
(紹介会社の出番)

※どれも「ずっとそこ」ではありません。移ることもできます。

🌿ケース① 認知症は進んでいるが、身体は元気

こういう方です。

  • ひとりでの生活は難しく、常時見守りが必要
  • でも身体は元気で、よく歩く。転んだこともない
  • 食事も何でも食べ、飲み込みも悪くない
  • 家事が好きで、料理も上手だった

この方には、グループホームが最適です。

ただ、難点もあります。少人数で運営されているので、空きが出るまで時間がかかります。中身もピンキリで、どこでも良いわけではありません。費用も高めです。

それでも、お伝えしておきたいことがあります。

グループホームから特養へ移られる方もいます。ですから「ずっとグループホーム」と考えず、元気に動けるうちだけでも、そこで過ごしてもらう——そういう選択肢も、十分にありなのです。

▶ グループホームが実際どんなところか、入ってからの暮らしぶりはこちらに書きました。グループホームって実際どんなところ?

🌿ケース② グループホームが理想。でも経済的に難しい

この場合は、まず老健をおすすめします。

私が老健で働いていたから勧めるのではありません。最初の施設として、ご利用者もご家族もいちばん使いやすいと感じるからです。

▶ 「在宅はもう限界かもしれない」と感じている方は、こちらもお読みください。在宅介護の限界サインは「大丈夫」でした

老健がどんな施設か

老健は「リハビリをして家に戻る」のが基本の施設です。

  • 主治医の先生が常駐している
  • 看護師が夜間も必ず勤務している
  • 理学療法士・作業療法士・言語聴覚士がそろっている

老健では、診察や処置、日常のお薬代が、介護保険の費用(施設の利用料)に含まれています。有料老人ホームのように、薬代が別にかかることはありません。

そのかわり、ご家族やご本人の希望で気軽に受診することはできません。

制約は多いのですが、多くの専門職が、多くの視点で目の前のお年寄りに向き合います。だから課題の発見も、処置の対応も早いのです。

ただし、どの老健も同じではありません

すべての老健が同じレベルというわけではありません。「昨年までは良かったけれど、トップが変わったとたんにレベルが落ちた」ということも、実際にあります。

どんな施設でも、任せっきりにするのがいちばんダメです。この話は、記事の最後にもう一度書きます。

▶ 老健の申し込み方(申込書のコピーを複数作る、3か所以上に出す、面談で見られているのは家族)は、こちらに詳しく書いてあります。老人施設の入り方

🌿ケース③ 要介護4〜5。生活のほとんどに介護が必要

この場合は、特養が適切なことが多いです。

ただし特養は、すぐには入れません。自治体によって、申し込める施設が限られていることもあります。

でも「何年も待つ」とは限りません

世間では「特養は申し込んでも何年も待たないと入れない」と言われます。でも私が見てきた限りでは、そうとも限りません。

実際に申し込んでから3ヶ月で入所されたケースもありました。

入所されている方が多い分、亡くなったり入院したりと、動きもあるからです。

ですから、まず大事なのは——複数に申し込むこと。

それと、特養が新しく建つこともあります。そのタイミングに当たると、ぐっと入りやすくなります。

判定は、点数だけでは決まりません

基本的には、介護が必要な方から順に点数で優先順位がつけられ、入所判定となります。

ただ、厳格に点数のみで決まるわけではありません。

  • ご家族の熱心さが伝わっている
  • 特養のショートステイを定期的に利用している

こうした方が入所に結びつきやすいのも、事実です。

※ショートステイは、ほとんどの特養に併設されています。もしなさそうでしたら、施設に相談してみてください。

申し込んで、そのまま連絡を待つのではなく——見学に行く。ときどき連絡して現状を伝える。「こちらへの入所を強く希望しています」という気持ちが伝わると、印象に残ります。

ただし、伝え方があります

ここは正直に書きます。施設側は「めんどくさい家族」を敬遠します。

逆に、施設の話を真摯に受け止めて理解しようとする姿勢が伝わると、「あそこはご家族がしっかりしている」という評価になります。そして、それは判定のときに有利に働きます。

🌿ケース④ 有料老人ホームで、趣味やアクティビティを楽しみたい

ここが、紹介会社の出番です。

有料老人ホームは費用も高額になります。そのぶん施設自体もきれいで、高級感のある造りになっています。お金があればこんなところで過ごしたい、と考えるのは当然ですね。

実は私も、1年ほど有料老人ホームで働いていたことがあります。入浴も週3回ありましたし、個室対応で、食事も良かったです。

ただ——ここは、はっきり書いておきます。

費用が高いから介護が充実しているとか、質の高い介護が行われているとは限りません。

見学を重ねて、慎重に選んでいただきたいと思います。入所してからでないと分からないことも、どうしてもあります。

もし納得のいかない状況になったり、不信感が生まれるようでしたら、施設を変えてもいいのです。むしろ、それくらいの感覚で施設を客観的に見ていきましょう。どんな施設でも、入所して終わりではありません。

🌿紹介会社を、現場の両側から見てきました

私は居宅で7年、施設で8年、ケアマネジャーをしてきました。紹介会社を、送り出す側と受け入れる側の両方から見ています。その話を書きます。

居宅ケアマネだったころ

紹介会社の営業は、ときどきありました。「パンフレットを置かせてください」と依頼があり、事業所の入口には複数のパンフレットが並んでいました。

それでも、実際にそのパンフレットをご家族にお渡ししたことは、多くありません。

潤沢な資産をお持ちの方はほとんどいらっしゃいませんでしたし、特養や老健を希望される方が多かったからです。

そして正直に申し上げると——パンフレットがきっかけで入所に至った事例は、私が担当した方の中では1人もいませんでした。

施設ケアマネだったころ

紹介会社を経由して入所された方は、少なかったと感じます。

受け付けるのは相談員なので私の肌感ですが、入所の経緯でいちばん多いのは病院です。これが主と言ってもいいくらいです。

ご自宅で生活されていた方が何らかの理由で入院し、その間に動けることが減ってしまう。「在宅は難しい」となって、病院から紹介されるケースがほとんどでした。

次に多いのは、病院からリハビリ病院へ転院し、さらにリハビリをしてから老健へ、という流れです。

ご家族の近くの有料老人ホームへ入所された方もいました。そういう方は、ご家族の動きが良かったです。ご家族が動ける、ネットで調べられる、すぐに行動できる——そういう場合は、早めの入所につながります。

数えてみました

紹介会社「いい介護」の公式サイトに載っている利用体験談444件を、入居先の種別ごとに数えてみました。

入居先件数割合
介護付き有料老人ホーム17940.3%
サービス付き高齢者向け住宅14632.9%
住宅型有料老人ホーム10323.2%
グループホーム143.2%
ケアハウス20.5%
特別養護老人ホーム00%
介護老人保健施設00%

※いい介護の公式サイトに掲載された利用体験談444件を筆者が集計(2026年10月時点)。成約された方の全員ではなく、体験談を投稿し掲載された方の分です。

特養も老健も、1件もありませんでした。

民間の施設が96%です。つまり紹介会社は、特養や老健を探してくれる場所ではありません。これは批判ではなく、そういう役割分担だということです。

ですから——特養や老健を考えている方は、市区町村の窓口や地域包括支援センター、担当のケアマネジャーへ。有料老人ホームやサ高住を考えている方は、紹介会社が力になってくれます。

紹介会社が向いているのは、こんな方

  • 介護保険の内容が、よく分からない方
  • 介護に携わるのが初めてで、周りに相談できる方がいない方
  • 見学まで、なかなか動けない方

こういう方には、業者の方が丁寧に説明してくださるので、利用されるとよいと思います。新しい知識も得られますし、介護の現状がつかみやすくなります。

契約に結びつかなくても料金はかかりません。ただ——紹介業者も仕事です。本質的に入所のご希望がある方が、選択肢のひとつとして利用してください。

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そして、知っておいていただきたいこと

有料老人ホームの種類や内容は、紹介業者がいちばん詳しいです。納得がいくまで質問して、たくさん現場を見せてもらってください。

そのうえで、こうお伝えしておきます。

紹介業者は、紹介料の高い施設を紹介したい仕組みになっています。ですから、すべてを信じきらずに、ご自分の目で見ておくことが大切です。

もし入所したい施設が見つからなければ、まず老健に入所して、その間に有料老人ホームを探すという方法もあります。焦って決めて後悔することのないようにしたいですね。

🌿どこに入っても、任せっきりが一番ダメです

最後に、どうしてもお伝えしたいことがあります。

ご家族が定期的に面会して、こまめに状況を聞いていく。これをされているご家族は、施設側からも一目置かれます。

これ、大切です。ホントに。職員も人間ですから。

私もケアマネ現役時代は、マメに来所してお話しするご家族を気にかけていました。そして、その方の親御さんに声をかけることも、自然と多くなっていましたよ。

ミリ子
ミリ子

こう書くと身も蓋もないのですが、これが現場の本当のところです

🌿おわりに

同じ施設でも、Aさんにはイマイチで、Bさんにとってはベスト、ということがあります。

だから「どこがいいですか」の答えは、ひとつではありません。親御さんがやりたいこと、譲れないことに寄り添って、一緒に考えてくれる施設が見つかるといいですね。

優先順位を明確にして、親御さんに合った施設選びができますように。

▶ 「施設に入れるなんて親不孝ではないか」と迷っている方は、こちらもどうぞ。親を施設に入れるのは親不孝?|ケアマネ15年が見てきた「入ったあとの親たち」

ここまで読んでくださっている皆さんを、心から応援しています。🌿

※事例は、個人が特定されないよう内容を一部変えています。

※本記事の一部はAIを活用して作成しています。

老人施設の入り方|ケアマネ歴15年が教える申し込みから入所まで
ケアマネ歴15年の元ケアマネが、老人施設への入り方を申し込みから入所まで丁寧に解説。施設の種類・費用・面談のコツまで知って、迷っているご家族の「次の一歩」をサポートします。

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この記事を書いた人
ミリ子

ケアマネジャー15年。居宅で7年、その後は150名の老人保健施設で。
家で支えるご家族も、入所したあとのご家族も見てきました。

父が頚椎損傷で寝たきりになり、自宅で6年介護しました。
母は、自宅で看取りました。

65歳。夫と二人暮らしです。
現在、保育園でパート勤務中(若い頃に取得した資格です笑)
東映撮影所で17年、ドラマの小道具をしていた時期もありました。

ピラティス歴2年。いまは理学療法士のいるスタジオに通っています。

介護の本当のところと、60代の身体のことを書いています🌿

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